1人日本アルプス縦断 前編

某縦断レース関連

今年のお盆休み、悲願の日本アルプス縦断を達成。7日10時間40分(台風10号による停滞時間24時間を含む)。TJARを知ってからかれこれ7年間くらい、華やかなFinishではなかったけれど間違いなく達成。
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※詳細な行程は後編にまとめます


一年前にチャレンジした時(→こちら)は駒ヶ根でリタイアだった。西鎌尾根にてスマートフォンを落とし画面が割れて操作不能になった(サイドキーで写真だけは撮れるという微妙な状況)。通信手段を持たずに台風の南アに入るリスクを考えて撤退した。
今年また挑戦するなら少なくとも前回以上の結果、つまり完走しないと意味がない、こういう考えと、期間後半の台風予報がスタートへのハードルを押し上げた。お盆休みの初日である8/10(土)の午前中まで本当に行くか悩み、準備にも着手できずにいた。奥様とも色々話して、最終的に「チャレンジしなければ成功はない」というシンプルな考え方に落ち着き、急いで用意をした。
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0日目
8/10(土)の22時前、黒部宇奈月温泉駅で新幹線を降りた。そこから富山地方鉄道に乗り換えて西魚津駅まで。多分昨年と同じパターン。仙台駅での地下鉄→新幹線乗り換えで猛ダッシュしなければ、西魚津への終電に接続出来なかったくらいドタバタしていた。西魚津についてから皮膚保護クリームを忘れたことに気づき、せめてもの代替品としてニベアクリームをコンビニで買った。24時前にスタート地点のミラージュランドに到着し、裏手の海岸に回ると3人の男性がいて、簡単に挨拶。
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1日目
8/11(日) 0時ちょうどにスタート。まずは剱岳への登山口がある馬場島まで30kmのロード。最初は4人で進んでいたが、私が自分で準備したルート(結局、遠回りになった)のトレースを優先したため、道中の6割くらいは一人になった。馬場島では水を汲まず(沢への降り場がわからなかった)で、そのまま早月尾根へ。昨年は早月小屋以降、高山病っぽくなったが、今年は平気だった。貧血が大きく改善したことが効いた。剱、立山はお盆で混雑していた。雪渓を手に取り、体を冷やすとかなり楽に進めた。一の越山荘を過ぎると一気に人がいなくなり、淡々と。日没までにはスゴ乗越小屋に到着。前日から35時間くらい寝ていなかったので、無理せずここで幕営(テン場が混んでいてギリギリの隙間にて)。
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2日目
8/12(月) 1時から行動開始。薬師-黒部五郎をさくっと越える。道中、静岡を目指す方とスライド。西鎌尾根の最後、槍ヶ岳への登りではstravaのコースレコードをとれるくらい快調だった。そのまま下って、明るいうちに上高地に到着。3 歳の息子に定時連絡を入れたら、「いつ帰ってくるの?頑張って」 と応援してくれた。バスターミナルの売店もギリギリ営業中で、少し補給。とりあえず沢渡まで行くことに。釜トンネル~沢渡(14km)にあるトンネル群通過の際、大きな渋滞が発生していて車の流れが滞っており、比較的安全に通過できた。この日は夕食を調達することができず、手持ちの補給食と缶ジュースで我慢。
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3日目
8/13(火) 2時から行動開始。境峠を越えて木曽への52.5kmのロード。昨年一度走ったことがあるので、ペースは掴みやすかった。薮原駅を過ぎたところのセブンイレブンで待望の食事。気温が高く厳しかったが、お昼前には中央アルプスの登山口である木曽駒高原スキー場に着いた。明らかに昨年より余裕があった。そのまま木曽駒に登り、16時前に幕営地の木曽駒頂上山荘に到着、暖かいうちに就寝。夕方から夜間にかけては雨風が強まった。ツエルトがかなりバタついたが、倒れずにいて驚いた。寝ていられなくなり23時くらいに行動開始。
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4日目
8/14(水) 宝剣岳の岩稜帯を通過しているうちに日が変わり、ひどかった風も落ち着いてきた。それでも深夜の中央アルプス通過には神経を使った。昨年はかなり苦戦し、途中で行き倒れた。今年は幾分か余裕を持って通過できた。それでも空木岳への登りの途中で座って少し寝てしまった。日の出は空木岳山頂あたりで迎えた。結構寒い中で、駒ヶ根側から来た薄着のランナーの人がいた。そのまま駒ヶ根まで下山。菅野台BTで濡れたものを乾かしつつ、少々ダラダラ。ヘッドライトの動作が不安定だったのと、靴下が破れたので、駒ヶ根のカインズで調達、すき家も経由し、南アルプスの玄関口である市野瀬への25kmのロードラン開始。とりあえず昨年の自分を越えた。
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↑新たに購入した靴のサイズが合わず(TNF小さいよ…)、やむなく家にあった履き慣れた靴で。ソールがギリギリだったことが出発後に発覚。
選考会で3回通過しているこの区間、案外水分の補給が出来ずたぶん熱中症になっていた。ほぼ歩きで通してフラフラで市野瀬に到着。入浴・休憩して、改めて台風の状況確認。台風の進路は変わっておらず、状況は非常に悪かった。超大型の台風10号の影響が翌日から出始めるという。疲労の影響もあり「やっぱりか」という空虚な気持ちが湧き上がってきた。「台風には勝てない」ということで、妻と息子には仙台に帰ると伝え、伊奈駅行きのバス停へ向かう。残念ながら当日の最終バスは既に出ていた。
寝床を探してブラブラしていると、これから夏祭りだという町の人に出会い、お誘いをいただく。近所に飲食店もなく夕食に困っていたのと、思い出作りのために喜んで参加させていただく。ありがたいことに来賓席で出し物や花火を見学させてもらい、ビールまでご馳走になった。隣には地元の登山好きの方や、衆院議員の宮下一郎さんがいて、ここまでの挑戦をたたえてくれた。祭りが終わったらそのまま就寝。夏祭りの方が、山登りよりも100倍楽しいと感じた。
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(続く → 後編)

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